2016年から2020年の5年間、VOYAGE GROUPで変わったこと・変わらなかったこと

これは VOYAGE GROUP Techlog Advent Calendar 2020 の25日目のエントリです。

2015年に2010年からの5年間の話を書いたので、今年はその後の5年間について書きます。

techlog.voyagegroup.com

目次

5年間で変わったこと

1. クルーが成長し、高いグレードの割合が増えた

VOYAGE GROUPはグレード(等級)制度を導入しており、高いグレードの人が増えると経営戦略が実現する確度が上がると考えています。エンジニア職は4段階になっておりE4が一番高いグレードです。

E3/E4は既存の仕組みにのって改善できるだけではなく、既存の仕組みを根本から見直し、チームを巻き込んで抜本的な改善を進めていけるエンジニアと定義してます。

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グレードの割合:2015年と2020年

2015年に比べるとE3/E4という高いグレードの割合が増え、E1グレードの割合が減りました。これは、毎年8−15人採用してきた新卒達が、入社後に能力が向上し、着実に成果を積み上げ、グレードが上がっていった結果だと思います。

グラフでみるとあまり差が大きくないように見えるかもしれませんが、E1が減りE3/E4が増えたということはシニアなエンジニアがプロダクトに向き合う時間が増えるということで、成果を生み出す力や改善を進める力が確実に上がっています

クルーが成長し、高いグレードの割合が増えたことで、プロダクトが改善され、価値を生み出し、経営戦略の実現につながっていきました。

2. 「考えられる」から「実践できる」ようになった

2015年の記事では「その時点で技術的に当たり前なことをちゃんと考えられるチームが増えた」と書きましたが、それから各チームが開発プロセスを改善し、開発・運用環境に投資し、今ではほとんどのチームが実践できるようになりました。

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その時点で当たり前のことをちゃんとやる。2015年12月

そのおかげで「デプロイ頻度の増加」「平均復旧時間の短縮」につながり、仮説検証のサイクルが早くなったと思います。

3. 負債を大きく返済し、攻めに使える開発力が増えた

2015年時点で、10年以上続いているメディアがあり、その他にも7,8年続いているメディアが複数ありました。広告プラットフォームも5年運営しているものを筆頭に複数運営していました。当時は負債*1がそれなりに溜まっていて、開発スピードが上がらないシステムがいくつかありました。

そこからの5年間でエンジニアが成長し、負債を返済する力が上がっていったチームが増え、2020年12月現在では攻めに使える開発力がかなり増えたと思います。

そのあたりの詳細は書籍『Engineers in VOYAGE ― 事業をエンジニアリングする技術者たち』に書いてありますのでぜひご一読ください。

また、事業特性にあわせたリファクタリング/リアーキテクティング/リプレイスについてはDevelopers Summit 2021の2日目にセッションがありますので、ぜひご視聴ください。

event.shoeisha.jp

5年間で変わらなかったこと

1. お互いをリスペクトする

そーだいなるVOYAGE GROUPの裏側 #SPZ 事業の成長を止めない手段としてのシステム刷新 - VOYAGE GROUP techlogというオンラインイベントには、エンジニアだけではなく、サポーターズでプロダクトオーナー的な立ち位置の取締役が参加し、下記のような話が出ていました。

専門性が異なるメンバーで構成されたチームでは、他のメンバーの専門性が深く理解できないとしても、お互い歩み寄り話し合うことが重要だと思います。

この発言だけではなく、要所要所でチームの信頼関係が感じられるいい話が語られていました。動画のアーカイブもありますので、興味をもった方はぜひ視聴ください。

ここではサポーターズを取り上げましたが、どのチームも、職種に関係なく、お互いをリスペクトできていると思います。

2. 技術が好きで学びあう

今年はCOVID-19の影響でオフラインでの勉強会やAJITOでの交流がほとんど開催されませんでした。

そんな状況でも下記の読書会がオンラインで開催され、新卒、若手、シニアなエンジニアが学び合っていました。技術コーチである@t_wadaさん、著者であるそーだいさんを交えて深い話が聞ける機会もあり、1人で学ぶよりも理解が深まったと思います。

3. 主体性をもって発言する

VOYAGE GROUPでは技術力評価会というちょっと変わった能力評価制度を9年間実施しています。

私が評価会自体に参加することは今はないのですが、被評価者が書いた評価対象の資料と評価者が書いた評価結果レポートは全員分読んでいます。

そこから感じられることは、個々人が主体性をもって事業をエンジニアリングしているということです。チームでの方針や意思決定に対し、自分の言葉で語っています。

これは10年前から大事にしていきたいと思っていたことですし、文化として定着していると思います。

おわりに

さて、2016年から2020年の5年間で変わったこと・変わらなかったことをいくつか紹介しました。 さらに5年経った2025年にはもっとたくさんの変わったこと・変わらないことを紹介できるように、エンジニア一人ひとりが主体性をもって挑戦し続けられる文化をみんなで醸成していきたいと思います。

よいクリスマスを!

*1:t-wadaさんのこの記事を読んでない方はぜひご一読ください https://t-wada.hatenablog.jp/entry/ward-explains-debt-metaphor