DX Criteria ver.201912を使ってVOYAGE GROUPとfluctを自己診断してみました。

どうも、ajitofm 準レギュラーの @makoga です。この記事は ajitofm ep.56 とのコラボ企画です。

ajitofm ep.56ではVOYAGE GROUPとfluctの自己診断結果などについて 広木 大地/ エンジニアリング組織論への招待 (@hiroki_daichi) | Twitter さんと楽しく語っていますので、ぜひ聴いてみてください。

この記事では、各社のCTOそれぞれが実施したDX Criteria ver.201912の診断結果を公開したいと思います。

DX Criteria ver.201912 とは

DX Criteria( DX基準 )は、日本CTO協会が監修・編纂している企業のデジタル化とソフトウェア活用のためのガイドラインです。 デジタル技術を企業が活用・コントロールするために必要な要素を多面的・具体的に言語化し、ソフトウェアエンジニアリング組織の健全な成長・経営目標の可視化・パートナーとのコミュニケーションなどに使っていただくことを目的に作成されています。

また、この基準は絶対的なものではありません。極めて現在的で具体的な項目で構成されているため、定期的に最新動向に併せてCTO協会の個人会員様と議論をおこないながら、適宜アップデートをしていくものです。

とのことです。

DX Criteriaの調査項目の構造は以下になります。

https://cto-a.github.io/dxcriteria/image/structure.png

320項目を記入するのはそれなりに時間が掛かりましたが、時間を掛ける価値はあったと思います。

DX Criteriaの詳細は下記を参照ください。

cto-a.github.io

VOYAGE GROUPの自己診断結果

全体感としてはちょっと甘めだったかなと思ってました。しかし、fluctの自己診断結果をみると現場感とそんなにずれがなく、妥当だったと思いました。

テーマ別でいうと、コーポレートが強く、デザイン思考が弱いという結果になりました。これは予想どおりでした。コーポレートは開発環境、評価制度、採用などに力をいれてきた結果だと思いますし、デザイン思考の強化は今後の課題と捉えています。

また、チェック項目でいうと、アンチパターンに強く、メトリクスの計測が弱いという結果になりました。これも予想どおりでした。私は致命傷に繋がることを排除し、挑戦しやすい環境を作ることに力をいれてきたので、アンチパターンが少ないことに繋がったと思います。メトリクスは設計に失敗すると負のフィードバックループに陥るので、無理に設定しないようにしてます。ただ、もうちょっと計測できるものもあるとあらためて思いました。これをきっかけに改善していきたいと思います。

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fluctの自己診断結果

fluctはVOYAGE GROUPの100%子会社です。自己診断はfluct CTOのすずけんが行いました。

こちらはテーマ別でいうと、システムが非常に強く、デザイン思考が弱いという結果になっています。これはfluctエンジニア陣がシステムをより良い状態にすることにしっかり投資しているからだと思います。デザイン思考は今後の課題ですね。

以下、すずけんからのコメント

fluctについては広告配信事業として継続的に基盤への投資を進めてきました。データを効果的に使い、安定したシステムを動作させるために長く取り組んできた過程が反映されていると思います。

デザイン思考については現状課題として認識しており、今年1月から新たにエクスペリエンスデザインの部署を立ち上げました。fluctの会社全体としての顧客体験を向上をミッションとし、デザインとエンジニアリングのちからによってこれを解決するチームです。

実際にやってみると、DX Criteriaは組織間の相対評価ではなく、自身の組織に対する健康診断であるとやってみて感じました。例えばVOYAGE GROUP内の各事業においては、育成や評価の仕組みは全社での投資とされつつも、システム投資、チーム運営などは各事業部によって特色がでているはずです。なかなか包括的に自身の組織について振り返る機会というのはないので、DX Criteriaの各項目と会話しながら組織を点検するのは良いプラクティスになると感じました。

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今後の展開

fluct以外のチームにも自己診断をしてもらい、チームごとに改善するところ、VOYAGE GROUP全体で改善するところの目線を合わせていきたいと考えています。今後も結果は公開していきたいと思ってます。

また、いろんな企業/チームがDX Criteriaで自己診断を行い、結果を公開していくと業界全体が良い方向に進むと思いました。